カフェトーク第1回のゲスト・生物学者の本川達雄さんに続いて、5月3日のカフェトークに出演してくださったのは、作家・三浦しをんさん。著書『まほろ駅前多田便利軒』では、東京・町田市を、近著『神去なあなあ日常』では、三重・美杉村を舞台のモデルにするなど、「街」そのもの、そしてそこに生きるひとびとの物語を描いてきた三浦さんに、作家・三浦しをんにとっての「街」とは何か、をうかがいました。
Q 古本屋について
- A 古本屋が愛想よくしちゃやだ、って私は思うんです。あのぶっきらぼうな感じ、 ああいう感じの空間だったり、時間ってあったほうがいいと思う。少なくとも 私はそういう古本屋じゃないと物足りないですね。この会が始まるまで、古本市をみてきたんですけど、想像以上に楽しんじゃいました。
Q 物語を書くときは・・・・
- A 私はたぶんいい加減なほうだと思うんですけど、それでも数年調べたりします。 『風が強く吹いている』のときは、駅伝のコースを全部自分でまわってみて、 過去の駅伝を全部みたりして。(といいながら、物語のなかで起こる駅伝の順位変動図や、登場人物たちが住む寮の画なども見せてくれた)その人物が、どういう街に住んでいて、どういうひとたちと交流して、どう生きているか。当たり前だけれど、それを鮮明にすることがとても大事。
Q どんな街が好きですか?
- A 商店街とかちゃんと残っていて、そこに住んでいるひとたちが活きてる街かなあ。昔っからやっている古本屋、無愛想な店主が本の山の向こうにいて、ジロッと こっちを見るような、そういう古本屋は絶対に必要!あと、昔って、何をやってるのかよくわからないお店ってけっこうあったじゃないですか。ああいうのも好きですね。八王子もそういう表情はあって、いいなと思います。
会場からは、三浦さんの好きなBL(ボーイズラブの略)ファンも多数。
質問も、ついそちらに泳いでいったりして、ついついのめり込んじゃったりして。
集まった方々が皆、脱線すら心行くまで楽しんでいるのが、見て取れました。
ひとつのテーマで絞りつつも、ご来場いただいた方々の自由な声が上がること。
それを制さずに、なりゆきに寄り添って、いっしょに楽しんでいくこと。
今後の八王子古本まつりで開催されるカフェトークに、さらなる期待をもちました。